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秘匿の闇市〜Midnight〜
第3章 飼育される侍女達


「手なんか使うな」

「…………」

「全裸で恥ずかしいとこ公開して、いじめて下さい……って、買われたんだろ?こんな若い内から人生終了してて、ウケる。あたしは好き、お前みたいな売春マゾ」

「っ……ゃ」


 彩月の片手が、薄いシフォンに透けたあさひの乳房を掴んだ。乱暴に膨らみを揉む彼女の指が、ぞわぞわと電流に似た波紋を広げる。

 すぼめた視界のすぐ先に見る彩月は、昨夜ステージにいた高額な女達より、はっとする。どこか儚げな雰囲気と、少年めいた危うさがひとところにあって、彼女こそ人間ではないのではないかと思う。


「は……はぁっ、はぁ……」


 あさひの乳首をぷっくりと勃てて、彩月のちょっかいが離れていった。


「ふぅん。素直な身体」

「快楽を認める女は幸せになれるって、おばあちゃんに、教わったから……」

「じゃ、ゆるんだ尻の穴でも突き出して、這いつくばって早く貪れ」

「……はぁっ、……はい……」


 下腹部の奥に芽生えた期待に追い立てられるようにして、あさひは四つん這いになった。

 サラダの皿に顔を寄せて、舌を伸ばす。慣れていないと難しい。否、犬や猫になったつもりで、従順になれば良いだけのことだ。きっと佳子が、あさひのそうした姿を見たがっている。皿に顔を突っ込む勢いで、あさひはレタスを口に含んだ。


「ぁむっ……はぁ」


 むしゃ……ぱり……むしゃ……


 涙が出るほど美味しい。振り返れば十七年間、ささみもこんなに口にしたことはなかった。タンパク質ならサプリメントで摂れば良い、ドレッシングも脂肪になるという理由から、いつも塩やハーブだけだった。
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