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秘匿の闇市〜Midnight〜
第1章 愛玩少女の製造法
「…………」
『あー。あー。ご来場のお客様にご案内致します。まもなく──…』
スピーカーの入った音に続いて、園内にアナウンスが流れ出す。
深夜帯で、しかも住宅地が近い配慮からか、耳を澄ましてようやく聞こえる程度の音量だ。
『まもなく、ミッドナイトマーケットの目玉イベント、人間オークションを開催致します。人間を購入されたい方、またはステージでの競売の様子をご覧になりたい方は、公園中央までお集まり下さい。繰り返しご案内致します、まもなく、ミッドナイトマーケットの目玉イベント、人間オークション──』
そこまでの内容が聞き取れると、あさひは状況が理解出来た分、落ち着いた。
祖母の今夜の行動も、それまであさひが受けてきた教育も、振り返れば辻褄が合う。
ただ、ここにいる他の女達と違って蒼白になったり恐怖を感じたりしないのは、今日まで祖母に注がれてきた教育という名の愛情が、あさひの人格をそのように作り上げてきたからだ。
カップの中心が透けたブラジャーに、コルセット付きのミニスカート、エプロンだけのメイド服、ほぼ紐と呼んで間違いないパンティにニーハイ、ガーターベルト──…自分は今からこの衣装を着て、胸を丸出しにしてステージに上がり、酒臭い大人達に値踏みされるのかも知れない。