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秘匿の闇市〜Midnight〜
第3章 飼育される侍女達


 初めての客らが帰った夕刻、佳子はあさひに、このように告げた。


「出来の良いペットとは、身も心も主人に傅き、支配されているものなの。あさひは私や私のお客様を楽しませるために、何を惜しんでもいけないし、肉体も生理的な欲求も、余すところなく管理されていなくては」

「はい、小松原さん」

「佳子様、と、お呼びなさい」

「佳子様……」


 要約すれば、そのためのあさひの調教を、佳子は彩月に一任した。


「あさひの飼育に関する指示は、おおむね私が出している。ともかく貴女は彩月の許可なしに身体をいじってはいけないし、あすこに時計があるでしょう、尿や便を出した時間も、正直に答えるの。もし破ったら、貞操帯の装着や、お尻の穴に栓をされると思っておくのね」



 想像しただけで、下腹部の奥が切なく疼いた。


 佳子があさひの鎖骨を撫でて、その指が、胸の辺りへ伝っていった。

 はっきりとした目鼻立ち、育江ほど華がない代わりに彼女より気品を感じる佳子の顔が、愉快に歪む。


「心臓、速いわよ」

「ぁ……」

「そんな風に管理されると聞かされて、貴女は気持ち良くなるの?」

「は、い……」


 わざと規則を破ってしまいたいくらいには、と、あさひは心の奥で続けた。
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