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秘匿の闇市〜Midnight〜
第3章 飼育される侍女達
一端、掃除を切り上げて、あさひは昼食の準備を習うことになった。
キッチンに入ったあさひは、まず圭に何がどこにあるかの説明を受ける。
「と言っても、彩月さんがいなくても、美影さん辺りが来てくれると思う。彼女、唯一免許持ってる人材ってだけで、家政婦みたいなものだから。不明な点は、遠慮しないで訊いて」
「はい」
「買い出しのタイミングは、冷蔵庫や棚が寂しくなったら。佳子さんは好き嫌いもアレルギーもなくて、朝に洋食か和食の希望を訊けば、あとは予算内でやりくりすれば良いだけだよ。この時、ついでに私達のご飯も作ってて……、あさひちゃん食べたいものある?」
「えーっと……」
「パンケーキは、どう?」
一瞬、食パンに載ったショートケーキが頭をよぎった。
いや、学校で聞いたことがある。放課後、女子生徒達が嬉しそうに専門店へ行く計画を立てていたところからして、食パンの要素はなさそうだ。
「食べたことないんです……教えていただけますか」
「えーっ。そうなんだ。なんか可愛いな、あさひちゃんって。お姉さんに任せて」