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秘匿の闇市〜Midnight〜
第3章 飼育される侍女達
「──……」
「…………」
永遠のような一瞬だった。
涙が出るのではと思ったくらい、柔らかかった。
「っ……」
あさひはその場に倒れ込む。身体の芯など抜けていたから、倒れ込むというのは語弊があるが、気持ちの上では卒倒していた。
胸を揉まれて、両脇を同時に吸い上げられて、陰核を何度も吸盤で吸われたくらいの衝撃に、身体中が慄えていた。
しかしそれらのことをされても、きっと同じ心地にならない。実の祖母と暮らしていた時でさえ、こうも安心したことなかった。
「ぁ、……」
彩月の指が、あさひの顎を軽くつまんだ。
歳の近い女の中で、こうも言葉を交わしたのも、あさひは彩月が初めてだ。その初めての女に、三度目のキスまで奪われた。
「んっ……」
どことなく慣れた感じのするキスは、あさひの脳をとろかして、やがて腰の奥までとろけるそれに変わった。触れ合っては離れて、離れては触れ合う唇の間を行き来し合った二人の唾液が糸を引いて、最後にはあさひの顎を一筋濡らした。
「二度目」
「…………」
「さっきのが初めてで、今のが二度目で良いじゃん」
「…………」
お前はこの館で飼われているから、と、彩月が続けた。
それからあさひは、館に戻った彼女の背を見送って、草むしりを再開した。客達が四人、帰って行くところが見えて、美影が駐車場へ向かっていたのはすぐあとのことだ。