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秘匿の闇市〜Midnight〜
第4章 淫蕩の婦人会
植え込みを抜けた美影に続いて、亜子も忍び足で女の後方に回り込む。そして、彼女の目を手のひらに覆った。
「何、してるんだ」
「ひゃっ……」
「ここ、人ん家の庭だよ」
「ぁ……ああ……」
「全裸でエッチぃ自撮りして、おっぱい触って、どうするつもりだったの?痴女さん」
「見てたん、ですか……」
美影ほどの低音でなく、平均的でも彼女に次いで古参の彩月ほど女好きのする声でもない亜子は、それでも我ながら様になっていたと自負する。暗闇を含む雰囲気もあって、目前の女にとっては十分、知らない男に痴態を見咎められた女の気分を得たのではないか。
事実、女の声は震えていた。震えているように、装っていた。
亜子が女のうなじに舌を伸ばして、首筋へ、肩へ、二の腕へと手のひらを這わせていっても、女からは後ろ暗さも不安も伝わってこない。じかには触れず、ただ乳房に手をかざして円を描き、心臓近くに指を置くと、鼓動は少し速まっていた。
「美影さん」
亜子の目配せに頷いた美影が、女の腕を後方に捕らえて、襟元からネクタイを抜いた。そのネクタイを女の両手首に巻きつけて、彼女の腕の自由を奪った。