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秘匿の闇市〜Midnight〜
第4章 淫蕩の婦人会
早口で言い終えた店員が、レジへ向かうあさひに従う。
会計中も隙を見ては、あさひは乳首を指に押さえた。
店員の目が、あさひを無言で軽蔑して、異端者に怯えてでもいる色を浮かべている。これもお願いします、と、さっきの同人誌の特に残忍なシーンを開いて差し出すと、清廉な目に涙が浮かんだ。
人生初の成人向けDVDと同人誌を購入すると、あさひはトイレの場所を訪ねた。来た方向を引き返せば良いだけだが、それも彩月の命令だ。
「そちら右手の突き当たりです」
「よく分かりません、ついてきてもらえますか」
「そちら曲がって、本当に真っ直ぐ歩かれた先にございます」
「分かりました、有り難──…アァンッ!」
踵を返して、あさひはわざとその場に転んだ。尻を突き上げた格好で、スカートの裾を押さえる振りで手を伸ばして、逆に裾を少し上げる。
「はぁっ、ぁっ……んんぅ……」
「お客様、大丈夫ですか、お怪我は?!」
駆けつけてきたのは、女性店員の父親くらいの年端の男だ。やはり店名の入った前掛けをつけているところからして、店長か何かだろう。
あさひは男の店員に支えられて立ち上がると、トイレに行きたい旨を告げた。案内も請うと、男は快く引き受けた。
男の手が、尻すれすれの尾てい骨を撫でるように支えていた。しかし女子トイレの前に至ると、彼は仕事に戻っていき、あさひはさっきの個室に入った。まずは彩月に電話をかけて、全てこなしたことを報告する。