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虐げられた新妻~秘密の書斎~
第10章 操り人形
「何で…」
うまい言い訳の言葉が出てこない。
それもそのはずで
街角で腕を組んでいるだけなら誤魔化せるけれど
美代子と自分が素っ裸でものの見事にハメている写真に言い訳など取り繕えない。
言葉が出ぬ代わりに脂汗が滝のように流れ落ちた。
「まだいっぱいあるんだよ、見るかい?
いやぁ~、君もたいした男だねえ
この女、誰だか知ってるかい?
恥ずかしながら私の妻なんだよ」
では、美代子が言っていたドSの旦那と言うのが
向田さんなのか?!
「君を責める気持ちはないよ
妻から誘ったのかもしれないしね
でも、これをネタに裁判沙汰にでもなれば
君も会社に居づらくなるだろうねえ」
「い、慰謝料をお支払いします
いかほどお支払いすれば…」
「バカにしてもらっちゃあ困るなあ
私が金銭目的だとでも?
償いは金銭だけではないんだよ」
洋介には有人が何を言っているのか理解できなかった。
「では、どのようにすれば許していただけるのでしょうか?」
そのように問いかけた瞬間、
有人はテーブルをバン!!と叩いた。
「許してもらう?
僕は決して君を許さないよ
もちろん妻も許すつむりはない
君にはこれから贖罪を兼ねて
僕の指示に従ってもらう
拒否はできないよ、拒めば写真が社内に出回るだけだ」
わかりました。
洋介はそのように答えるしか道はなかった。