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虐げられた新妻~秘密の書斎~
第10章 操り人形
「では早速だが
今日の指令を伝える」
そう言って有人は洋介の耳元に小声で指示を出した。
「わかりました…」
洋介は有人の命令を聞いて項垂れた。
「では早速だが取りかかってもらおうか」
洋介は震える手で
スーツの内ポケットからスマホを取り出した。
『美代子、今夜は時間がないかい?
よければカラオケに行きたいんだけど』
そのような内容をメールで送信した。
ー ダメよ、私、人妻よ
そうそう時間を作れないわ ー
当然そのような返信が返ってきた。
それを確認して有人が電話をかける。
長い呼び出し音の後に
美代子が電話を取った。
『あなた、どうしたの?
私、勤務中なんですけど』
これも想定どおりの返答だ。
「悪いね、実は今夜、
仲間内で飲みに行くことになってね。
帰りは午前様になるから先に寝ていていいぞ」
用件だけ話すと美代子の返事も待たずに通話を終えた。
ほどなくして美代子から洋介にLINEが届いた。
ー 時間が出来たわ♪
カラオケ行きましょ ー
その内容を有人に見せると「スケベ女め」とスマホ画面を睨み付けた。
「夕方までに小型ビデオを君に届ける
後は指示したようにうまくやってくれよ」
美代子とデートできるのに
洋介の心は重く沈んだ。