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虐げられた新妻~秘密の書斎~
第3章 新居探し
結局、その家を買うことになり、
リフォームも終わり、
荷物の搬入の日が来た。
「わあ~、素敵な家じゃない」
荷物の搬入に手伝いにきた有人の妹の愛弓が
いかにもお世辞だと言わんばかりのセリフを口にした。
「そうだろ?
あ、そうだ愛弓、俺の書斎をみせてやるよ」
そう言って有人は奥の四畳半に愛弓を手招いた。
「書斎なんているの?
お兄ちゃんは勉強嫌いなのに」
そう言って愛弓は兄を貶した。
「でしょ?私も反対したんだけれど
絶対に必要だと言って聞かないのよ」
考え直してほしくて美代子は愛弓に同意を求めた。
「何を言ってるんだ!
俺は会社じゃ遣り手の有望社員なんだぜ
この部屋で一人静かに作戦を練るのさ」
仕事のためだと言われれば
一部屋ぐらい彼の自由にさせてもいいかと思えた。
それだけでは飽きたらず、
有人はそれぞれの部屋に絵画を飾った。
おまけに浴室には
不釣り合いなミラーまで設置した。
表向きは日本家屋なのに
それぞれの室内は
洋風と和風が入り混ざってしまった。
『仕方ないわね…
これでやる気を出してバンバン稼いでくれたら
他に言うこともないし…』
美代子は呆れながらも
有人の思い通りにやらせた。