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虐げられた新妻~秘密の書斎~
第7章 彼氏と自宅で
その日は肌艶が絶好調で
メイクもバッチリだった。
おかげで新色のファンデーションもよく売れた。
そして、お昼過ぎの事だった。
二人の男性の声が近づいてきた。
「先輩、一人で買いにくればいいじゃないですか」
「バカ言え、俺だって化粧品を買うなんて恥ずかしいんだ。つべこべ言わずに付き合えよ」
「ほんとに先輩は愛妻家ですねえ
新色のファンデーションが売り出されたからって
奥さんに自分で買えって言えばいいじゃないですか」
そんな会話が美代子の売場に近づいてくる。
一人の男性の声に美代子はドキドキしていた。
聞き間違える訳はない、あれは洋介の声だ。
「新色のファンデーションって、
ここで買えるんですよね」
先輩と呼んだ男が話しかけてくる。
「はい。こちらで承っております」
そう言って美代子は顔をあげて
先輩らしき男の背後に立つ洋介の顔を確認した。
「あっ!」
声をあげたのは洋介だった。
美代子は心の動揺を見せまいと
努めて冷静に対応した。
まるでそこにいる洋介を無視するかのように
ビジネススマイルを先輩と呼ぶ男に施した。
先輩は美代子のセールストークがなくても
買う気満々だった。
仕事の途中で立ち寄ったので時間がないから
早くそれを清算してくれと急かしてきた。