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ストーカー生徒と万引き先生 〜保健室の憧れの先生〜
第6章 謝罪の拒否
翌日の昼休み、わたしは保健室で平和な時間を過ごしていると、ノックの音とともに2年生の担任をしている月野先生の声が聞こえた。
「失礼します!!」
「あっ、月野先生、どうしたんですか??」
月野先生の大きな身体に隠れるように熊野くんが立っていた。
わたしは覗き込むように熊野くんの顔を見た。
なんだか元気なさそう…
「こいつウチのクラスの熊野大地って言うんですけど、朝から調子悪いのにずっと無理しちゃって…ちょっと診てやってくれますか??」
「わかりました。じゃああとはおまかせください。えぇ〜っと熊野くん、だったかな??そこのベッドで座って待ってて。すぐに体温計持っていくからね!!」
「じゃあ樋口先生お願いします!!」
「わかりました、月野先生!!」
なぜか月野先生はデレデレした顔で保健室を出ていった。

「ふ〜ん、熊野くんって大地って名前なんだ!!」
「あっ、はい…」
「う〜ん、やっぱり元気ないね…」
そう言いながらわたしは熊野くんのおでこに手を当てた…やっぱり熱あるなぁ…
「熱あるっぽいね、体温測ってみて」
そう言って体温計を熊野くんに渡し、わたしは冷却シートを取りに棚へ行った。

ピピッピピッ…
わたしが熊野くんの所へ戻るころ、体温計の音が鳴った。
「あぁ〜やっぱりちょっと熱あるね…じゃあこれ」
わたしは熊野くんのおでこに冷却シートを貼った。
「とりあえず横になって、寝れなくても横になるだけで全然違うからね」
「あの、先生!!」
「なに??」
「あの…ごめんなさい…」
「えっ??なに??」
「あの…僕…ホントは先生の弱みをにぎ…」
わたしはとっさに話してる途中の熊野くんの唇をわたしの唇で塞いだ…
わたしはその「弱み」がなくなるのが怖かった。
その「弱み」だけが熊野くんとわたしを繋ぐ唯一のモノだと思ってたから…
「えっ??先生??」
「それ以上言わないで」
「えっ…でも…それに風邪感染ります…」
「気にしないで、それにこの熱があるのは先生のせいでもあるんだし…とにかく横になってゆっくりやすんで!!わかった??大地くん」
大地くんって呼んじゃった!!
この風邪は雨の中、わたしを待ってくれてたせいでしょ??
わたしが大地くんのこと元気にさせたい!!
そしてわたしはもう一度大地くんの唇にキスをした…
「じゃあね」
そう言ってわたしはベッドから離れた。
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