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ストーカー生徒と万引き先生 〜保健室の憧れの先生〜
第6章 謝罪の拒否
大地くんは眠っていた。
わたしは時々様子を覗きながら考えていた…
大地くんはあの万引きに見えちゃう動画を持っている。
確かにあれはわたしにとっては弱み…
でもその弱みに漬け込んで…なんて子じゃないのはわかってた…
それでもその「弱み」がわたしと大地くんを結ぶ唯一のモノなら…だったらそれを守りたかった。
でも…でも…
それだけの関係じゃイヤだって思えた。
あんなにかわいい大地くんと一緒にいたい…
あんなに優しい大地くんと一緒にいたい…
わたしと大地くんを結ぶモノを「弱み」から「気持ち」に変えたかった。


「失礼します、樋口先生」
「あぁ〜月野先生、どうしました??」
「ちょっと熊野の様子が気になったので」
「横になってから結構時間経ってますね。ちょっと様子見てくるのでお待ち下さいね」
「お願いします」
わたしは大地くんの寝てるベッドのカーテンを少し開いた。
大地くんの様子を確認して、そしてまたカーテンを閉めた。
ふふ、かわいい!!

「熊野くん、まだ寝てますね」
「そうですか…実は僕これから出張なんです」
「大変ですね、熊野くんのあとのことはおまかせください」
「樋口先生、助かります」
「いえいえ、お気をつけて」
「ありがとうございます」

月野先生が立ち去り、わたしは大地くんのところへ…
「寝たフリしてる大地くん」
「えっ、気付いてたんですか??」
「ふふ、先生もサボっちゃていい??」
「えっ、あっ、はい」
「じゃあ少しだけ向こうに寄って」
大地くんの隣に少しにスペースを作ってくれたから、わたしはその布団に潜り込んだ。
そして横向きにじぃ〜っと大地くんの顔を見つめながら話しかけた。

「大地くん、先生のヒミツいっぱい知ってるよね??」
「そうですね、いっぱい増えちゃいましたね」
「ふふ、そうだね。でもね、ホントはもっとたくさんヒミツあるんだ」
「もっとたくさん…ですか??」
「うん、そう。さっき大地くん、謝ろうとしてくれてたでしょ??そのことを大地くんが眠ってる間に考えてたんだ」
「でも先生、謝ろうとした僕を…その…キスで止めましたよね」
「ふふ、そうだね。その理由が大地くんのまだ知らないヒミツなんだ。聞いてくれる??」
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