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狂愛の巣窟
第7章 【再燃するココロとカラダ…】





「ごめんごめん!でも変わってないよ、見た目も中身も」




「成長してないって意味?」




「いや、断じて違う!良い意味で俺はまた恋に落ちそう」




「あ〜私…」




「わかってる!その先は言わないで……まだ夢見るくらい時間与えてよ」




10年以上も経てばそれなりに大人びた顔になる。
色んなしがらみも経験して酸いも甘いも噛み分けて来たのだろう。
それでもそんな風に言ってもらえるならそれはそれで嬉しい。




付き合わなくて良かった……岸くんにはそう思う。
同い年なのに随分年下に見えちゃうのよね。
当時は無理だったけど今は一回り以上下でも受け入れちゃってるから。




当たり障りない今までの話や近況なんかを話しながら校舎をまわった。





「えっ?岸くん社長さんなの?」




「そんな大きな会社じゃないよ、立ち上げてからはまだ大した利益もない……ギリギリ黒字だし」




「それでも偉いよ、え、想像出来ない、あの岸くんが?って感じ」




「ちょっとは見直してくださーい」




岸くん曰く、自伐林業と言って他人の山を借りて農業のサポートをしたり、高齢者の医療施設などの送迎や冬場は除雪機運転して回ったりと地域密着型サービスの会社なんだそう。
社員は大学時代の友人3人みたい。
軌道に乗れば正社員も増やしてくって。




「結構なんでも屋っぽいけどやってて楽しいよ」と言う顔つきはもう当時のナヨナヨした感じではなかった。
着ていたジャンパーも制服らしい。
皆にも宣伝しまくるってヤル気。




「あ、保健室!懐かしい〜」




流石に薬品等は置いてないけどベットや先生の机等はそのままで。




「本当、鍵かかってないんだね」




「うん、来放題だね」




「ふーん」




「っていうのはウソ」




「え…?」




「実は……学校関係者に鍵借りてる」




「あ、そうなんだ?だよね!」




いくら何でも不用心過ぎるなって思ってた。
田舎とは言え……ね。




「十和ちゃんと回りたかったから……今回参加してくれるって聞いてめちゃくちゃ嬉しかった、ずっと来てなかったじゃん」



「うん、ちょっとね」




「あれからずっと気になってた」









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