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レコンギスタ~征服される制服
第1章 里奈

「こ……殺しますよあなた」マリアは怒りでブルルッと体を震わせた。その迫力は凄まじくまるで本物の獣と対峙したかのようだ。
しかし里奈は全く動じず淡々と告げた。
「私のお母さんを殺した時もそう言ってましたよね? 殺したいならいいわ。私を殺しな。でもその後が大変だと思うけど」
「どういう意味かしら?」マリアは余裕の微笑を見せる。だが、里奈が無造作に携帯電話を取り出すとさすがに狼のような目つきになった。「警察に言いつける気?」
ところが里奈が見せたものは予想もしないものだった。「違います」それはメール作成画面だった。「誰に送信しようかと思って。一番効果的なのがあなたのお友達なので。紹介しますね」
里奈は素早く携帯を操作し、メッセージを入力した。『愛美。助けて!』その相手とは……。マリアの顔からサッーと血の気が引いた。マリアは一瞬凍り付いたようになり、「うっ」といううめきを発したきり動かない。マリアには分かったのだ。「まさか、こんなことをするなんて」恐怖に満ちたまなざしで里奈を見つめる。「どうして」マリアの口から洩れたのはその一言だけだった。「別に。ただお礼のつもりよ。あなたを破滅させるきっかけを作ってくれたんだもの」「私が憎いんじゃないの!? あんたを強姦して殺したあたしが」「だから感謝したんじゃないか。あなたの復讐のおかげで私は新しい人生を始められたんだからね」「あんたねえ! 頭おかしいわ!」マリアは怒りを通り越して呆れていた。「いいえおかしくなんかない。これは正当な権利なんだ。だから復讐するんだ」マリアは目を丸くした。そして次に大声で笑った。心底愉快そうな笑いだ。ひとしきり笑うと満足したのかふうっと息を吐いた。それから、ふと思い出したように言った。「ところで」マリアは小首を傾げながら訊ねる。
「さっきのメッセージの送り先は何だったんだい?」「もちろん警察」マリアはためらうことなく答える。すると、里奈は笑った。
「嘘だよ。だって」再び、送信ボタンに触れると。
ピロリロリーン♪着信音とともにメールが届く。『里奈、どうした?』それは親友、田中愛実のものだ。
しかし里奈は全く動じず淡々と告げた。
「私のお母さんを殺した時もそう言ってましたよね? 殺したいならいいわ。私を殺しな。でもその後が大変だと思うけど」
「どういう意味かしら?」マリアは余裕の微笑を見せる。だが、里奈が無造作に携帯電話を取り出すとさすがに狼のような目つきになった。「警察に言いつける気?」
ところが里奈が見せたものは予想もしないものだった。「違います」それはメール作成画面だった。「誰に送信しようかと思って。一番効果的なのがあなたのお友達なので。紹介しますね」
里奈は素早く携帯を操作し、メッセージを入力した。『愛美。助けて!』その相手とは……。マリアの顔からサッーと血の気が引いた。マリアは一瞬凍り付いたようになり、「うっ」といううめきを発したきり動かない。マリアには分かったのだ。「まさか、こんなことをするなんて」恐怖に満ちたまなざしで里奈を見つめる。「どうして」マリアの口から洩れたのはその一言だけだった。「別に。ただお礼のつもりよ。あなたを破滅させるきっかけを作ってくれたんだもの」「私が憎いんじゃないの!? あんたを強姦して殺したあたしが」「だから感謝したんじゃないか。あなたの復讐のおかげで私は新しい人生を始められたんだからね」「あんたねえ! 頭おかしいわ!」マリアは怒りを通り越して呆れていた。「いいえおかしくなんかない。これは正当な権利なんだ。だから復讐するんだ」マリアは目を丸くした。そして次に大声で笑った。心底愉快そうな笑いだ。ひとしきり笑うと満足したのかふうっと息を吐いた。それから、ふと思い出したように言った。「ところで」マリアは小首を傾げながら訊ねる。
「さっきのメッセージの送り先は何だったんだい?」「もちろん警察」マリアはためらうことなく答える。すると、里奈は笑った。
「嘘だよ。だって」再び、送信ボタンに触れると。
ピロリロリーン♪着信音とともにメールが届く。『里奈、どうした?』それは親友、田中愛実のものだ。

