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濡れて堕ちて……
第6章 贖罪
「ごめん…、私釣りって苦手なんだ。それに多分その日、私仕事だと思う」

「じゃあ、友達と行って来る。一応晩飯は用意しといてくれよ」


無理を言わなくなってしまった。


私をたまに襲う胃痛。

痛い、と訴えると

「病院行くか?夜間病院ならこの近くにあるし」

それなりに心配してくれるようになった。



「今日、会議で提出するはずだった書類なくした…。デパートで並べてもらう時の戦術とか書いてあっただけにすっげぇショック」

仕事の話までしてくれるようになった。




最初は警戒してたけど

いつどこでどんでん返しが来るか、と怯えてたけど


もう1度、浩一を信じたいと思った。

今度こそ浩一と本当の夫婦になれると思いたい。



お互いを助け合って慈しみ合って

病める時も健やかなる時も

夫婦で乗り越えて行ける、そんな夫婦になれるかも知れないって


ねぇ、浩一

少しだけ信じていい?

期待していい?




以前なら、毎日毎日、ノルマをこなすように過ごしてた。 

家と職場の往復、休みの日はDVDを借りて家で見るだけ。

何も始まらず、何も楽しくなかった。



けど、今は

浩一と過ごす1日1日が凄く大切で愛しい。

毎日、新しい浩一を発見出来るから。


じゃがいもを食べれるようになった。

実は恋愛映画に弱い。

マイホームを買ったら猫を数匹飼いたいほどの猫好き。


知らなかった一面が沢山見えた。

新婚時代も恋人時代もこんな会話したことないのに。

結婚して8年目にして

私達はやっと夫婦になれた気がした。

そして、ある日──────────














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差出人:徹

件名:Re

本文:

明日空けれました。
ただ、まだバタバタしてるんで
俺の家に来てくれると助かります。


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幸せを感じてる私にやって来た、最終試練。
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