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濡れて堕ちて……
第6章 贖罪
私の人生に置いて、最大の秘密。

この秘密は墓場まで持って行く。


もし、私の不倫を今の浩一が知ったらきっと傷つく。

離婚より何より、この人を傷つけたくない。

ただの言い訳、己を正当化してるだけに過ぎないけど浩一をずっと裏切ってたんだと思うたび自分の犯した罪の深さを知る。


それこそが私に課せられた罰だ。


「ごちそうさん。この後どうする?」

「この後?」

食べ終えた食器を流し台へと持って行く。

あの浩一が?って感じだ。

「映画でも借りに行くか?それとも、カラオケとかボウリングとか屋内で遊べる施設に───────」


カチャカチャと食器を濯ぐ音が背後から聞こえる。

浩一の話を遮るように、後ろから浩一にそっと抱きついた。

驚いたように浩一の手の動きが止まった。


「どうした?」



「抱いて…」




弱々しく呟いたこの声、浩一に届いたかな?

まだ真っ昼間、と言っても分厚いって雨雲のお陰で太陽は完全に隠されてる。

室内も昼間にしては真っ暗だ。



はしたない私の事をも隠すかのように。

見て見ぬ振りをしてくれてるかのように。



キュッ

蛇口を閉めて胸元に回した私の手をぎゅっと握ってくれた。

そのまま、体をこちらに向けて

「………っ。んぅ」

私の唇が浩一の唇に塞がれる。


「誘ったのは陽子からなんだから、待ったはなしだぞ?」

私の腰な手を回し寝室へ誘導してくれようとしたが────────
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