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濡れて堕ちて……
第7章 淫獣

「…!」

洋画などでよく見る、囚人が付けてるような鉄の足枷と首輪。

足枷と首輪には鎖がついていて、その鎖の先を見ると

私が今座ってるベッドの柵に頑丈な鍵を持って固定されていた。



倒れた私を徹がベッドまで運んでくれたのか?

だったらこの鎖は一体…。


それにこのベッド、徹のものじゃない。

何度か私を抱いたベッドを忘れたりするもんか。

これは徹のベッドじゃない。


それに、この部屋も徹の部屋じゃ────────



改めて明るくなった部屋を見渡すと

「ひぃっ!」


まるで、産婦人科にある分娩台のような椅子に

X字の梁に、天井からは手枷がぶら下がっている。



瞬時に普通の部屋じゃないとわかった。

異様な光景に怯えていると

「何かあったかいものでも飲みますか?その格好のままじゃ風邪ひきますよ」

いつしか私のそばまで歩み寄って来た徹。




その格好のまま…?

そう言えばさっきから若干肌寒いけど



と、自分の体を見ると



「きゃあああぁぁぁぁっ!!」

一糸纏わぬ姿。




両手で体を隠し、徹に背を向けた。

「くすくす、別に今更隠さなくても」



急に言いようのない恐怖が襲う。



この部屋の異常さも

絡みついてる頑丈な鎖も

一糸纏わぬ姿で拘束されてる状況も



そして

それを笑いながら観察してる徹も。



恐い、何なの?

この状況は何…?




「どうですか?俺の新居は」

引っ越すとは言ってたけど、これが新居だと言うの?

「ふ、ふざけないで…何よ、ここ…」
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