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濡れて堕ちて……
第7章 淫獣
「だから、新居ですよ。俺と陽子さんの」




は?

私と徹の?


言葉の意味がわからず、おずおずと首だけを徹の方に向けた。


「一応ここを寝室って事にしてますけど、不満があるなら俺がカスタマイズしますから」



ニコニコ笑ってる徹が、余計に恐い。


「この部屋を仕上げるのに1週間もかかったんですよー」


いつものあのひだまりみたいな笑顔だけど


「まだ他の荷物の整理もあるんですけど、この部屋を仕上げる方が先でしたから」


どこか恐い。



徹のやってる事、言ってる事の意味がわからない。



「な、何を言ってるの…?ねぇ…」




「陽子さんが悪いんですよ?俺から離れようとするから」







ゾッとした。

まさか、この鎖は私を逃げられないようにする為?




じゃあ、まさか───────

「あの時のコーヒーに…」

別れを告げに行ったあの時、あのコーヒーに何かを盛られて、眠らされてここに運こばれたんじゃ…。


「当たりです。

俺が抱きかかえても、車に乗せても、ここに運んで鎖を付けてる時も、陽子さん全然起きないんだもん。

こんなに強力な薬だったなんて、俺もびっくりしましたよ。

心配しなくても変な薬はじゃありません。

睡眠薬の一種なんで」
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