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濡れて堕ちて……
第10章 代償
「あ…っ」



一体、何が起きたの?

激痛に襲われ、私の体は一変に強張り、さっきまでの威勢はなくなった。

耳たぶにじんじんと痛みが残ってる。



「陽子さんには指輪よりピアスの方が似合ってますよ」






ピア、ス…?

顔を抑え込んでいた手を退けられたので、徹の方を見ると

その手には白く小さな器具が握られていた。


私の耳にはピアスが通る穴なんて空いてない。

まさか、その器具で?

それぐらいわかる、あの器具はホッチキスのように耳に穴を開ける───────




「陽子さん?」







指輪も奪われて、耳に穴まで開けられて











私の体も心ももうぐちゃぐちゃだ。


















徹の手に握られた器具が目に入った瞬間














驚きからかショックからか












私は気絶してしまったらしい。
















どこまで徹に染められるんだろう。






どこまで徹を忘れたら気が済むの?














「こう、いちぃ…」


「そんなに浩一さんが恋しいんですか?」















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