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濡れて堕ちて……
第10章 代償
この後の行為が心配なだけ。

電マ?それとも、バイブ?


もういい。

好きにすればいいんだ。



指輪を奪われて、体に傷までつけられて

私の脳と体は抵抗するどころか

生きてく事を諦めたような気がした。




このまま、悶え死にしてしまおうか?

それともいっそ、徹の愛玩奴隷になってしまおうか?


ううん、何をどうされても

これから先、私が徹を愛し求める事なんて有り得ないんだから

今この場で舌を噛み切ってしまおうか。



だって、こんな体じゃ

浩一の元になんて帰れないんだから。







諦めたように目を閉じた、その時だった。













「──…ですか?───下さい。──っ!!」


ん、何…?




頑丈に閉じられた扉の向こうから声が聞こえた。




誰かが話してる…。

徹?


多分徹だろう。

徹が誰かと電話で話してるんだろう。









「何のつもりで──…──いい加減にっ───!!」

「くす、そうですね」









え…?

徹の声、じゃない。






いや、徹の声はちゃんと聞こえてるけど

徹の声に交じって違う誰かの声も聞こえる。









そこに、扉のすぐ向こうに徹ともう1人誰かいる。








「あなたもしつこいですね──────。何の目的で」









その声に


心臓と頭の奥がザワザワ騒ぎ出す。
















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