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濡れて堕ちて……
第11章 泡沫

さっきまで、何度も何度も浩一の名前を確認した。

それぐらい信じられなくて嬉しくて…



でも、中身は?内容は?


離婚の話かも知れない。

いや、あり得る事だ。

私が不倫をしたのは事実だし、あんな現場まで見せられたら離婚だけじゃ済まない。

慰謝料か、それとも裁判か。

拉致監禁されて無理矢理…なんて言い訳にしか聞こえないだろう。

脅迫されてた…も、言い訳や作り話にしか聞こえない。





今朝まで、徹と入籍しようがどうなろうが構わないと開き直ってたのに

いざ、浩一の名前を目にすると



私の心が急に「愛してる」と叫びだす。




カラカラに乾いた心がひび割れそうになる。





私は、浩一を傷つけた。

その罰なのか、私は今こんなところに来てしまった。

挙げ句、浩一をぼろぼろにしてしまった。



私は、裁きを受けるべき人間なのだ。







ピッ


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差出人:浩一

件名:Re:

本文:

もう一度、会ってちゃんと話がしたい。
連絡待ってます。

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