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濡れて堕ちて……
第11章 泡沫
「残業って聞いてたから…」

「え?珍しいですね、陽子さんが俺を気づかってくれるなんて」



ドキッ



普段の私なら徹を気づかったりしない。

冷静を装うつもりが裏目に出たんじゃ…。

大丈夫、大丈夫よ、自然に…。



「あ、私が食べるつもりだったのよ」

「なーんだ。俺の為じゃないのか、あはは」



テレビではお笑い芸人がグラビアアイドルにちょっとしたどっきりを仕掛けるバラエティー番組。

全然頭に入って来ないけど。

今は徹の顔すら見ないように注意を払ってる。


私のちょっとした仕草や言動で、徹は私の嘘を見破る。

その才能にだけは長けてる。



「今日は何して過ごしてたんですか?」

「別にいつも通り。掃除したり洗濯したり」

「外には出てないんですか?」

「お財布もないのに外出なんてしないわよ」


徹はすっかり冷めてしまっている焼き魚を電子レンジで温めている。

私はソファーに腰掛け、テレビから目を離せないでいる。

テレビ番組が面白い訳じゃない。


怖くて

徹のそばに行けない。



「なーんか、全然俺の方見てくれませんね」

「テ、テレビが面白い、から…」

「陽子さん、そんなバラエティー番組とか見ましたっけ?」



ほら、ちょっとした事でも勘が鋭い。


私はバラエティー番組なんてあまり見ない方。

バラエティー番組を見るくらいなら映画でも見てる方がいい。


「あんたと顔を合わせないなんていつもの事じゃない」


「そうですけどね」



そうよ、いつもの事。

徹の顔や目を見ながら楽しくお喋りなんて、ここに拉致されてから1度だってない。

なのに、何で今日に限ってそんな事聞くの?




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