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濡れて堕ちて……
第3章 火花
「ちょっとボーとしちゃって…、あ、お風呂沸いてるから入って来ちゃって」


「じゃあ、先に入るわ」



さっきまで違う男性のことを考えてた自分が恥ずかしくて

後ろめたさから浩一と同じこの空気から逃げたくなってしまった。


帰って来てから脱衣所に向かうまで
浩一の顔がまともに見れなかった。





マンションとは言えど、間取りはそんなに広くない。

浩一がお風呂に入ってる気配がよくわかる。

罪悪感で押しつぶさそうだ。








お風呂から上がった浩一。

食卓に着くも会話なんかほとんどない。

いつもの事だから気になんかしない。



いや、むしろ

今は何も話したくない。




別に裏切ってる訳じゃないし浮気したわけでもないのに、変だな。



「陽子」

「な、なにっ!?」

「いや、今日はなんか静かだなぁと思って…」

「そ、そうかな…」

「いつもなら、味はどう?とか、残さず食えとかうるせぇじゃん」



ドキ
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