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濡れて堕ちて……
第3章 火花
あはは、と笑い飛ばしてくれた新村さんのお陰で少し心が軽くなった。
一瞬、浩一と新村さんが知り合いなのかとも思ったけど、そうじゃないみたいだけど…



最悪だ。

うなされてたとは言え、浩一と新村さんを間違うなんて。


そうしてるうちに車は隣町のスーパーの駐車場に到着。

うちから大分離れてるし、ここなら誰かに見つかる心配もない。

それに離れてるって言っても一応地元だから、全然知らない場所と言うこともない。

「俺の家もこの付近なんです。この辺来たりします?」

「昔、この辺の路線を使って学校に通ってたわ」



店内に入ると、うちのスーパーとは違って広々してるし品揃えも豊富。

スーパーなんてどこも似たり寄ったりだと思ってたけど、意外に違うもんだ。

カゴとカートを持ち、いざお買い物と思った
主婦という職業病のせいなのか

つい地元のスーパーと比較してしまう。


「こっちの方がお肉が安いんだ…、でもお魚の鮮度はうちの方が上かな?でも、ここはばら売りもしてくれてるしね~…」

その後ろをクスクス笑いながら、小型犬のように着いて来る新村さん。

オバチャン臭いとか思われてるのかな…?


「もぅ、笑って無いで何が食べたいのかリクエストでもしてよ~」

「すいません。鈴村さんがあんまりハシャぐから可愛くて…」



か、可愛い!?
可愛いなんて言われたのは
何年ぶりだろう…

「か、からかわないでよ!」

「からかってるつもりはありませんよ~」
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