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濡れて堕ちて……
第4章 大罪
「珍しいな、こんな早くにお前が風呂なんて」

「あ、ちょっと今日暑くて汗かいちゃって気持ち悪かったから…」

そう言いながらバスタオルを体に巻き付けた。


さっきまで、私は不倫してたのに


「それより、飯は?いつもならとっくに準備してるのに」

「ごめんね。今から作るからお風呂入ってて」

今は浩一と“夫婦”をしてる。


脱衣所から出て行く私と入れ違いで次は浩一が脱衣所へ。


「あれ?何だ、このシトラス系の香り」


変だね、あんなに悪いことしたのに











「やーね、浩一。私いっつもシトラス系の香水付けてるじゃない」

「あぁ、そうだっけ?」

つまらなそうに呟きまるで疑う気配もない。









全然、罪悪感の欠片すら感じない。









私の香りすら知らない男。
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