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濡れて堕ちて……
第1章 孵化
「え?今週末に休みたい?」
「はい…」
朝、浩一に言われた通り休みを取らなきゃいけない。
急なシフト変更はお店や他のスタッフさん達に迷惑がかかるって知ってるけど…
「う~ん、急に言われてもね~。鈴村さん、この間も週末に休んでるよね~」
「すいません…」
この間は浩一が友人と釣りに行くと言い出し、何故か私まで同行させられたのだ。
平日ならまだしも週末だもん、店長が気分悪くするのも無理はない。
「まぁ、何とかしてみるけど…この所多いよ鈴村さん」
「本当にすいません…」
店長に怒られた後の昼食って美味しくない。
私が悪いから仕方ないけど。
休憩室でご飯を食べながら浩一にメールを打った。
カチカチカチカチカチ
■■■■■■■■■■■■■■
宛先:浩一
件名:Re
本文:
店長に相談したけど
期待しないでね。
■■■■■■■■■■■■■■
ピッ 【送信しました】
そんな都合よく休みが取れるわけないし
もしかしたら無理かも知れないし。
これ以上職場に迷惑かけられないし。
~♪~♪♪~♪~♪
メールを送信して5分も経たないうちに返信が来た。
この着信音は浩一だ。
時間からして浩一もお昼かな?
普通ならこんなに早く返信なんかないもん。
ピッ
■■■■■■■■■■■■■■■
差出人:浩一
件名:Re
本文:
何とかして休めるようにしろ。
■■■■■■■■■■■■■■■
「はぁ…」
浩一には「理解」なんてものはない。
いや、持ち合わせてはいるんだろうけど私の為に使ってくれる気はなさそうだ。
今朝の事で薄々気づいてるけど言及したってどうにもならない。
パートだってシフトを組んで貰ってる以上それなりに責任のある仕事なのに。
何か、一気に食欲が失せてしまった…。