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第5章 禁忌

面倒くさい女だとかって思われたかな。

大体、原因作っちゃった私がこんな事聞くなんてどうかしてる。

なのに、徹はまだ真剣な顔で考え込んでる。



「ごめん、今の話は忘れ─────」


「もし、離婚ってなったら俺が幸せにしますよ」














え……？

何、聞き間違え？











そんな……

そんなことあるはずない。













何、今の答え…














「冗談でしょ？」

違う、冗談を言ってる目じゃない。







徹と出会って1ヶ月ぐらいしか経ってないけど、徹はこんな真剣な顔で変な勘違いをさせる冗談は言わない。

本気なんだ。


本気でこの子、私のこと…？





「まぁ、陽子さんには陽子さんの事情とか立場がありますから強く言えませんし、奪うなんて大それた事も出来ませんけど、でも俺は本気です。そこんとこは信用して下さい」

「あ、ありがとう」




嬉しいはず、なのに。

女として嬉しいはずなのに。

さっきまでの真剣な顔が崩れまたひだまりみたいににっこり笑ってくれた。


「じゃあ、俺仕事に戻りますね！次の取引先、時間にうるさくて」

「あ、あぁ…、頑張ってね」