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第1章 プロローグ

彼女が目を覚ました時、ベットの上だった。
知らない天井…というのはこういう事なのか、と思った彼女は一瞬で状況を理解した。
自分の家ではない、ここはラブホテルという事を。
彼女は恐る恐る隣を見る。そこには知らない青年がいた。
顔から一気に血の気が引くのを彼女は感じ、記憶を掘り返す。
昨日は、飲み会で…楽しくガンガン飲んで…飲んで…？？
その先の記憶がない。どんなに思い返しても混乱するだけだ。
となりの青年に覚えがないことと、どうみても自分より下の年齢の容姿に危機感を感じる。
彼女は、すぐに自分の体を確認する。この状況はどう考えても裸のはずだ！そう思い見た自分の体は洋服を身にまとっていた。
あれ？と自分の思った状況と違いまた混乱する。

「んぅ…」

隣の青年が少し唸り、寝ぼけながら少し目を開ける。
青年は彼女を見た後、おはようと一言言った。

「おは…よう」
「もう朝ですか？」
「そうみたい…」
「何時ですか？」
「えーっと…」

携帯で時間を見ると9時50分。
彼女はその時間に、また危機感を持つ。
いまだに隣で寝ている青年に声をかける。

「ねぇ、ここのホテル、チェックアウト何時？」
「んー…10時です。それ以降は確か延長料金かかります」
「やっば！！！」

彼女の大声に青年はびっくりして、目を完全に開けた。
彼女は青年にあと10分で出ないと延長料金がかかることを伝え、急いで用意するように伝えると二人で出る準備をした。
完全に準備を終えたのは9時59分。急いで精算機で支払いをする。
そして、太陽の眩しい外に出ると二人で顔を合わせる。