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揺れる心
第9章 星空の下、愛を確かめる
翌日、時間を掛けて移動してニューデリー入りした。

初めてインドに来た時に泊まったホテルに再度宿泊した。

アーケードに一緒に行って、
「真理子さん、お嫁さんが着るような豪勢なサリー、
プレゼントさせて?」と言われて、
恥ずかしくて紅くなってしまう。


「こちらがお似合いですよ」と勧められたのは、
真紅のシルクにたくさんの刺繍が施されたものだった。


部屋に戻ると、
「着てみて?」と言われて、
丁寧に前でプリーツを作りながら着用していった。


「真理子さん、見て?
凄く綺麗だよ」と、鏡に映る私に向かって囁くと、

「真理子さん、結婚してくださいって言いたいけど…
勃たないオトコじゃ、役立たずでダメかな?」と、少し自虐的に笑った。

「そんなこと…
重要じゃないわ?
陸也さんとならずっと一緒に居たい。
私をお嫁さんにして?」

そう言って首に腕を回して背伸びをしながらキスをした。


「今の僕には、何もないよ?
真理子さんと向き合うのも、
海斗と一緒に居る真理子さん見るのも辛くて、
逃げ出すようにこんな遠くに来て。
医師としての地位もない。
忘れられなくてうじうじ真理子さんを想って…。
抱き締められると思ったら、勃たなくてさ」

「私…最初の夫に、
私なんかじゃ勃たないって罵倒されたのよ?
欠陥品って言われて、
処理させる為だけに、
色々なことをさせられて…。
モノみたいな扱いされたの。
挙句に私とは全く違うタイプの女性と浮気してたの。
でも…陸也さんは違うでしょ?
愛情、感じるもの。
だから…
別にセックスしなくても良い。
手を繋いで貰ったり、
ハグして貰ったり、
一緒に丸まって眠ったり、
ご飯食べたり、
笑ったりするだけで…
私、凄く幸せな気持ちになれる。
あの…陸也さんが望むなら…
えっと…
その…触ったりとか、ペロペロしたりとか、
したいって思うのよ?
はしたないから、そんなことって陸也さんが思うならしないけど、
陸也さんがして?って思うなら、
そうしたいの」

話しているうちに顔が紅くなってしまう。


陸也さんは、ポカンとした顔をした後、
優しく笑って、
「はしたないなんて思わないよ?
でも、嫌なことはさせたくない。
無理矢理、あんな酷いことをした僕が言う資格はないけど、
心から大切にしたいと思ってるよ」と言って、
額にキスをしてくれた。

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