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揺れる心
第2章 初デートはシャンプーの香り
銀座の老舗の百貨店の駐車場に車を入れると、
「人混みだし脚が心配だから、
腕を組むか手を繋がせて?」と言うので、
そっと手を出すと指を絡ませるように手を繋がれて頬が紅くなってしまう。
「こんなオバサンと手を繋いで…
恥ずかしくないの?」
「真理子さん、オバサンじゃないよ。
この繋ぎ方、嫌?」
「私は少し恥ずかしいわ?」
「じゃあ、恥ずかしくなくなるまで、
ずっと繋いでるよ」と笑って、
慣れた足取りで売り場に向かった。
部屋で説明されたものをテキパキとピックアップしてくれて、
デパートの店員さんと話をしながらいくつか並べて、
「あとは、真理子さんの好きなやつを選んで?
あ、試着した方が良いかも。
俺、あっちで待ってるから」と、
少し離れてくれるので、
水着の試着をさせて貰って決めると、
それに合う色のゴーグルとキャップを海斗さんが持って来てくれる。
ヨガマットとウェアとシューズも選んだ。
ウェアは、部屋着にもなるものを2組セレクトした。
そして、インテリアコーナーの一角で、
海斗さん用のスリッパも買う。
黒い革製のにした。
これで一通り買い物が終わったかなというところで、
「もう一つ、見たいものがある」と海斗さんは言うと、
外に出て歩行者天国をのんびり歩いてカルティエの前で立ち止まった。
「真理子さん、何月生まれ?」
「7月です」
「来月か。俺も7月。
何日?」
「フランスの革命記念日ですよ」
「ふーん。
じゃあ、俺の方が少し早いな。
アメリカの独立記念日だから」
店内に入ると近くに居た店員さんに声を掛けて、
どんどん奥へと手を引っ張って行く。
「すみません。
あんまり大仰じゃないリング、
見せてください。
7月の誕生石って、何ですか?」と言うので、
「えっ?」と海斗さんの顔を見てしまった。
お座りくださいと言われて、
トレイの上にいくつかリングが並べられる。
「こっちの柔らかい色のゴールドが似合うかな?
これは?」と、どう考えても物凄く高そうなリングを指差して、
指に嵌めるように言う。
「サイズはどうかな?
えっ?
これは好みじゃないの?
似合ってるけどな」と言う。
「この可愛いヤツは?」と小さい紅いルビーのついたリングを選ぶと少し考えて右手の薬指に嵌めてくれる。
「人混みだし脚が心配だから、
腕を組むか手を繋がせて?」と言うので、
そっと手を出すと指を絡ませるように手を繋がれて頬が紅くなってしまう。
「こんなオバサンと手を繋いで…
恥ずかしくないの?」
「真理子さん、オバサンじゃないよ。
この繋ぎ方、嫌?」
「私は少し恥ずかしいわ?」
「じゃあ、恥ずかしくなくなるまで、
ずっと繋いでるよ」と笑って、
慣れた足取りで売り場に向かった。
部屋で説明されたものをテキパキとピックアップしてくれて、
デパートの店員さんと話をしながらいくつか並べて、
「あとは、真理子さんの好きなやつを選んで?
あ、試着した方が良いかも。
俺、あっちで待ってるから」と、
少し離れてくれるので、
水着の試着をさせて貰って決めると、
それに合う色のゴーグルとキャップを海斗さんが持って来てくれる。
ヨガマットとウェアとシューズも選んだ。
ウェアは、部屋着にもなるものを2組セレクトした。
そして、インテリアコーナーの一角で、
海斗さん用のスリッパも買う。
黒い革製のにした。
これで一通り買い物が終わったかなというところで、
「もう一つ、見たいものがある」と海斗さんは言うと、
外に出て歩行者天国をのんびり歩いてカルティエの前で立ち止まった。
「真理子さん、何月生まれ?」
「7月です」
「来月か。俺も7月。
何日?」
「フランスの革命記念日ですよ」
「ふーん。
じゃあ、俺の方が少し早いな。
アメリカの独立記念日だから」
店内に入ると近くに居た店員さんに声を掛けて、
どんどん奥へと手を引っ張って行く。
「すみません。
あんまり大仰じゃないリング、
見せてください。
7月の誕生石って、何ですか?」と言うので、
「えっ?」と海斗さんの顔を見てしまった。
お座りくださいと言われて、
トレイの上にいくつかリングが並べられる。
「こっちの柔らかい色のゴールドが似合うかな?
これは?」と、どう考えても物凄く高そうなリングを指差して、
指に嵌めるように言う。
「サイズはどうかな?
えっ?
これは好みじゃないの?
似合ってるけどな」と言う。
「この可愛いヤツは?」と小さい紅いルビーのついたリングを選ぶと少し考えて右手の薬指に嵌めてくれる。