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揺れる心
第3章 横恋慕〜愛情か嫉妬か
リハビリエリアに行くと、少し仏頂面の海斗さんが奥の椅子に座っていた。
「加藤さん、今日は着替えは要らないですね?
奥にどうぞ」と言った。
まずは脚の状態から始めて、
うつ伏せで首肩背中、そして腕と動かして行く。
仰向けになると、
胸や腕の付け根の痛い処を押されたり、
股関節の動きも確認される。
「まだ、生理痛、酷いですか?」と言われて、
紅くなってしまって、
「だいぶ楽になりました」と答えた。
カーテンは開けたままで、淡々と施術されて、
終わるとまた鍵をそっと渡される。
「車に入ったら鍵、締めておくんだよ?」と耳元で言われる。
なんか、怒ってるのかな?と思うくらいぶっきらぼうだった。
車に入って暫くすると、
また、窓をコンコンと叩かれてビクっとしてしまったけど、
外を見ると大先生が和やかに立っていた。
私は慌ててドアを開けると、
「一緒に送って貰おうかな?」と言うので、
「助手席と後部座席、
どちらが座りやすいですか?」と訊くと、
「後部座席かな?」と言うのでドアを開けて運転席の後ろに座っていただくことにした。
私は少し考えて、
「お隣、宜しいでしょうか?」と言うと、
嬉しそうに頷いてくださった。
「海斗とはいつから?」
「まだ、お会いして1週間です。
先週、部下の結婚式で慣れないヒール靴で脚を捻ってしまって、
時間外なのに待ってくださって、
診察していただきました」
「それで海斗が一目惚れしたんだろう?
毎日、帰宅してもずっと真理子さんの話ばかりで」
「えっ?そんな…」
「陸也とも何かあったのかな?
昨日、物凄い剣幕で海斗が詰め寄ってたと、
看護婦達が噂しておった」
「あの…」
「まあ、そんなことはどうでも良いが、
陸也は昔から海斗の大切なものをわざと奪う傾向があるからな。
真理子さんがどっちのことを好きなのかも判らないから、なんとも言えないけどな」
「あの…私は海斗さんより8歳も歳上ですし…」
「私の妻もそれくらい歳上だったよ」と笑う。
「それに離婚歴もあるし…」
「今時、バツイチなんて普通だろう」と言うので、
2人で笑ってしまった。
そんな話をしていると、
海斗さんが運転席のドアを開けて、
談笑している私達を見て驚いた顔をした。
「加藤さん、今日は着替えは要らないですね?
奥にどうぞ」と言った。
まずは脚の状態から始めて、
うつ伏せで首肩背中、そして腕と動かして行く。
仰向けになると、
胸や腕の付け根の痛い処を押されたり、
股関節の動きも確認される。
「まだ、生理痛、酷いですか?」と言われて、
紅くなってしまって、
「だいぶ楽になりました」と答えた。
カーテンは開けたままで、淡々と施術されて、
終わるとまた鍵をそっと渡される。
「車に入ったら鍵、締めておくんだよ?」と耳元で言われる。
なんか、怒ってるのかな?と思うくらいぶっきらぼうだった。
車に入って暫くすると、
また、窓をコンコンと叩かれてビクっとしてしまったけど、
外を見ると大先生が和やかに立っていた。
私は慌ててドアを開けると、
「一緒に送って貰おうかな?」と言うので、
「助手席と後部座席、
どちらが座りやすいですか?」と訊くと、
「後部座席かな?」と言うのでドアを開けて運転席の後ろに座っていただくことにした。
私は少し考えて、
「お隣、宜しいでしょうか?」と言うと、
嬉しそうに頷いてくださった。
「海斗とはいつから?」
「まだ、お会いして1週間です。
先週、部下の結婚式で慣れないヒール靴で脚を捻ってしまって、
時間外なのに待ってくださって、
診察していただきました」
「それで海斗が一目惚れしたんだろう?
毎日、帰宅してもずっと真理子さんの話ばかりで」
「えっ?そんな…」
「陸也とも何かあったのかな?
昨日、物凄い剣幕で海斗が詰め寄ってたと、
看護婦達が噂しておった」
「あの…」
「まあ、そんなことはどうでも良いが、
陸也は昔から海斗の大切なものをわざと奪う傾向があるからな。
真理子さんがどっちのことを好きなのかも判らないから、なんとも言えないけどな」
「あの…私は海斗さんより8歳も歳上ですし…」
「私の妻もそれくらい歳上だったよ」と笑う。
「それに離婚歴もあるし…」
「今時、バツイチなんて普通だろう」と言うので、
2人で笑ってしまった。
そんな話をしていると、
海斗さんが運転席のドアを開けて、
談笑している私達を見て驚いた顔をした。