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揺れる心
第3章 横恋慕〜愛情か嫉妬か
「あ…れ…?
なんで爺ちゃんが?」
「済まないね。
噂の真理子さんが診察に来たから、
話がしたくてね?」と私にウィンクをする。
「あの…大したものは出来ませんけど、
宜しかったらお夕食、ご一緒にいかがですか?」
「海斗がむくれなければ良いけどな」
「爺ちゃんなら良いよ。
真理子さんのご飯、
凄く美味しいから!」
「やだ。
ハードル、上げないで?」
3人でマンションに向かう。
玄関に入って、
「あっ!」と小さい声を出したしまう。
「海斗さんのスリッパ、
大先生に使っていただいても良いですよね?」
「うん。良いよ」と言って、
黒い革のスリッパを揃えて並べてくれる。
ひとまず、リビングにお通ししてソファに座って頂いて、
小さな音でジャズを流すと、
室内着に着替えて手を洗ってイソジンでうがいをして、
さっと水回りをチェックしてから、
「良かったら先に手を洗われますか?」と声を掛ける。
海斗さんがタオルを出してくれてるので、
任せてしまい、
私はキッチンに立った。
ハンバーグやパスタだったので、
この日は和食にしようと思って食材を準備していた。
グリンピースのご飯、
キンメの煮付けにサッと一緒に炊いた牛蒡と生姜を添えたもの、
肉じゃが、
ホウレンソウのお浸し、
夏野菜の浅漬け、
大根と油揚げのお味噌汁を、
綺麗な小鉢や古い古伊万里の器に盛り付けて、
海斗さんに運んで貰った。
「料亭みたいだな」と海斗さんが言うので、
「普通の家庭料理ですよ?
料亭だなんて!」と笑った。
「ご馳走だね。
うちのお手伝いさんのしょぼい料理と比べたら月とスッポンだよ」と、
大先生まで言うので恥ずかしくなってしまった。
「私の目の黒いうちに結婚して、
ひ孫の顔を見せて貰いたいな」と突然言われて、
私は思わず咳き込んでしまう。
「いや、本心からそう思うよ。
海斗はもう、29になるだろう?
私なんて、一目惚れして、
すぐにプロポーズしたのは学生時代だったぞ。
毎日、一輪、当時は珍しかった薔薇を届けたんだ」
「まあ!
なんてロマンチックな!」
「彼女はちょうど8歳上で、
子供が出来ないからと婚家を追い出されて実家に居た処だったから、
私の両親も許してくれなくて、
駆け落ち同然で狭い下宿に2人で住んだよ」と懐かしそうな顔をした。
なんで爺ちゃんが?」
「済まないね。
噂の真理子さんが診察に来たから、
話がしたくてね?」と私にウィンクをする。
「あの…大したものは出来ませんけど、
宜しかったらお夕食、ご一緒にいかがですか?」
「海斗がむくれなければ良いけどな」
「爺ちゃんなら良いよ。
真理子さんのご飯、
凄く美味しいから!」
「やだ。
ハードル、上げないで?」
3人でマンションに向かう。
玄関に入って、
「あっ!」と小さい声を出したしまう。
「海斗さんのスリッパ、
大先生に使っていただいても良いですよね?」
「うん。良いよ」と言って、
黒い革のスリッパを揃えて並べてくれる。
ひとまず、リビングにお通ししてソファに座って頂いて、
小さな音でジャズを流すと、
室内着に着替えて手を洗ってイソジンでうがいをして、
さっと水回りをチェックしてから、
「良かったら先に手を洗われますか?」と声を掛ける。
海斗さんがタオルを出してくれてるので、
任せてしまい、
私はキッチンに立った。
ハンバーグやパスタだったので、
この日は和食にしようと思って食材を準備していた。
グリンピースのご飯、
キンメの煮付けにサッと一緒に炊いた牛蒡と生姜を添えたもの、
肉じゃが、
ホウレンソウのお浸し、
夏野菜の浅漬け、
大根と油揚げのお味噌汁を、
綺麗な小鉢や古い古伊万里の器に盛り付けて、
海斗さんに運んで貰った。
「料亭みたいだな」と海斗さんが言うので、
「普通の家庭料理ですよ?
料亭だなんて!」と笑った。
「ご馳走だね。
うちのお手伝いさんのしょぼい料理と比べたら月とスッポンだよ」と、
大先生まで言うので恥ずかしくなってしまった。
「私の目の黒いうちに結婚して、
ひ孫の顔を見せて貰いたいな」と突然言われて、
私は思わず咳き込んでしまう。
「いや、本心からそう思うよ。
海斗はもう、29になるだろう?
私なんて、一目惚れして、
すぐにプロポーズしたのは学生時代だったぞ。
毎日、一輪、当時は珍しかった薔薇を届けたんだ」
「まあ!
なんてロマンチックな!」
「彼女はちょうど8歳上で、
子供が出来ないからと婚家を追い出されて実家に居た処だったから、
私の両親も許してくれなくて、
駆け落ち同然で狭い下宿に2人で住んだよ」と懐かしそうな顔をした。