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揺れる心
第5章 油断
目が覚めてしまった。
ずっと眠っていたかったのに…。
ここは、どこ?
身体が動かない。
首を動かして周りを見ることも出来ず、
ぼんやり天井を見ていた。
「目が覚めた?
ああ…良かった」
優しい海斗さんの声が聴こえるのに、
私は自分のことを見られたくなくて、
動いて逃げようとするけど、
やっぱり動けなくて、涙が出る。
覗き込むように海斗さんが私を見て、
涙をそっと指先で拭う。
大先生の声も聴こえる。
「真理子さん、良かった。
もうじき、ご両親様がいらっしゃるよ?
ご心配なさるといけないから、
薬の分量を間違えて服用してしまったようだと説明してあるし、
とにかくゆっくり休むことだよ。
勝手ながら職場にも連絡させて貰った。
暫く安静にした方が良いだろう」
話をしようとしても声が出ない。
私…どうしちゃったのかな?
…そうだった。
薬を飲んだんだった。
起きたくなくて。
私…穢れてしまった。
もう海斗さんに会えないって思ったのに…。
そんなことを考えていると、
呼吸が苦しくなってしまう。
私に繋がれているモニターから警告音がしている。
バタバタと白衣の人が周りで動いているようだった。
点滴に鎮静剤を入れられて、
「とにかく、もう少し休ませましょう」という声が遠くから聴こえた。
ずっと眠っていたかったのに…。
ここは、どこ?
身体が動かない。
首を動かして周りを見ることも出来ず、
ぼんやり天井を見ていた。
「目が覚めた?
ああ…良かった」
優しい海斗さんの声が聴こえるのに、
私は自分のことを見られたくなくて、
動いて逃げようとするけど、
やっぱり動けなくて、涙が出る。
覗き込むように海斗さんが私を見て、
涙をそっと指先で拭う。
大先生の声も聴こえる。
「真理子さん、良かった。
もうじき、ご両親様がいらっしゃるよ?
ご心配なさるといけないから、
薬の分量を間違えて服用してしまったようだと説明してあるし、
とにかくゆっくり休むことだよ。
勝手ながら職場にも連絡させて貰った。
暫く安静にした方が良いだろう」
話をしようとしても声が出ない。
私…どうしちゃったのかな?
…そうだった。
薬を飲んだんだった。
起きたくなくて。
私…穢れてしまった。
もう海斗さんに会えないって思ったのに…。
そんなことを考えていると、
呼吸が苦しくなってしまう。
私に繋がれているモニターから警告音がしている。
バタバタと白衣の人が周りで動いているようだった。
点滴に鎮静剤を入れられて、
「とにかく、もう少し休ませましょう」という声が遠くから聴こえた。