この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
揺れる心
第7章 安藤家の崩壊と再生
翌々日、
ちゃんとお見送りしたい。


そう思って、お父様にフライト情報を教えて貰って、
成田空港に行った。

海斗さんは、
「仕事で無理。
それに、また会えるじゃん」と言って、
大学病院に行ってしまったし、
お父様とお祖父様も病院だったので、
1人でお見送りすることにした。


携帯電話も電源を切っているようで、
チェックインカウンターでキョロキョロしながら待っていた。


「真理子さん?」


後ろから声を掛けられて、
ゆっくり振り返ると陸也さんが立っていた。


「あれ?
その頭…どうしたんですか?」と思わず声に出してしまう。

坊主頭だったから、
びっくりしてしまった。


「真理子さんも、どうして?」と言って、
2人で声を出して笑ってしまった。


荷物を預けてから、
カフェでお茶でもと言われて無言のままのんびり並んで歩いた。


ポットサービスの紅茶を前に、
やっぱり何と言って良いかは判らなかった。


「不便な処に行くから、
坊主にしたんですよ。
可笑しいですか?」と笑う。

「いえ。
お似合いですよ?
なんか、僧侶みたいですね?
それに、スーツじゃない格好も初めてみました」

「僻地に行くとかは、
まるで海斗みたいで、
僕らしくないのかな」

「どちらに行かれるんですか?」

「今回は、インド北部の小さい村。
多分、携帯も繋がらないだろうから、
持っては行くけど。
電気も毎日のように停電するらしいし」

「まあ!
危険は…ないんですか?」

「何処に居ても、
危険はあるし。
真理子さん、どうしてここに?」

「だって…お見送りしたくて…」

「えっ?」

「次にいつ、会えるかも判らないから…。
危険な処に行ってしまうと思ったし。
私、怒ってないし、気にしてないって言いたくて。
気にしてないは、嘘になるかな?
なんて言えば良いのかな?
あの。
陸也さんのこと、
本当に…」

陸也さんは優しい顔で笑う。

「許して欲しいのはこっちで、
真理子さん、気を遣ったりしないで?」

「気を遣ってる訳じゃなくて…。
陸也さんは、
ただ、百合さんへの想いが強過ぎただけだったんだから、
私への想いとかじゃなくて、
えっと…」
/139ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ