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第1章 水球部　編　（１）

「いや、多分笛は吹かれないね。愛も分かってるだろ」
悔しいけれどその通りだった。黒川君はそう言いながら、左胸の形を変え
るほど揉んでくる。気持ちよさを感じ始めてしまった私は、自分に言い聞
かせる。
我慢、我慢・・・絶対シュートチャンスは来るから耐えなきゃ！・・・
しかし左肘で彼の左手を剝がそうとしているうちに、無防備な右胸の膨ら
みまで揉まれ始めてしまう。
声を出すことは我慢できても、身体の正直な反応は抑えられない。気持ち
よさには耐えきれずにボールを手放してしまい、あっさりと１回目の私の
攻撃が終わった。
「反則でしょ！」
そう言った私を無視して、黒川君はボールを手にした。悪びれた様子も見
せずに、攻撃を始めようとしている。私は慌ててブロックをしに行くしか
なかった。
体格差、リーチの長さ、パワーと、どれをとっても敵う訳がない。それで
も私のシュートチャンスを作るためには、守備をするときも頑張らないと
いけない。ゴールに身体の正面を向けている彼に、私は自分の身体をぶつ
けるようにしてボールを奪いに行った。
片手でボールを保持し、高く掲げてキープしている彼に、私も腕を伸ばし
て精一杯飛び上がる。しかし何回繰り返しても届きそうで届かない。
彼の真剣だった表情がだんだん緩んでだらしなくなっていく。
私の胸が彼の顔や胸板に当たって形を変える。当たるだけじゃなく、更に
押し付けて膨らみの感触をわざと味合わせてあげる。
黒川君は守備の時の様には手で揉んでくることは出来ないから、そんな風
に胸が当たるのを楽しもうとでも言うように、なかなかシュートを打とう
としない。もう少しで私が取れそうな位置にボールを持ってきては、お預
けする様にはぐらかす。
何度もボールを奪いに行くのは体力的に辛い。それに胸にはどんどん気持
ちよさが溜まっていっている。乳首が硬くなってきているのは自分でもよ
く分かる。彼もきっとそれを感じているはずだった。それでも続けるしか
ない。
もう少しでボールが取れそうなのに、悔しい！・・・でも、だらしない顔
していられるのも、今の内だからね！・・・
チャンスを最大限に生かすために、今は耐えるしかない。
制限時間ギリギリになってようやく黒川君はシュートを打ってきた。私が
反則気味に抱きつくように身体を寄せても余裕のプレーだった。