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爛れる月面
第3章 広がる沙漠
 紅美子は苦笑してモニタの向こうに目を向けたが、ニコやかに微笑みつつも、紗友美の顔つきに本気が見いだせたから、

「……お願い。また三週間ぶりに会うの。とてもとても会いたかったの。お願いだから、邪魔しないでくれる?」
「……。冗談装ってますけど、本心はマジと見ました。わかりました。次の機会にします。……あーあ、来週長谷さんはまたツヤツヤして来るのかぁ。ムカつくなー。今、なんか面白いドラマ無料公開してないかなー、救いようのないくらいドロッドロのやつー」

 光本さんこそ、早田とはどうなったの──そう聞いてみようかと思ったが、やめておいた。あれから紗友美の口から早田の名前は一切聞いていない。きっと、その後は何もないのだろう。紗友美も全く気に病んでいる様子はないから、早田の言っていた、「本気じゃなさそうだけどな」という見立ては当たっていたということだ。

 画面の右下の時計を見ると、二時を回っていた。

 午後から一回目の成果発表会が始まっている。徹の発表はアジェンダの真ん中よりも後ろだと言っていたから、まだ緊張しながら待っている頃だ。昼休みに激励のメッセージを送ってやったが、大勢の、しかも自分と同じか、それ以上の知見を持った人たちの前で、キャリアを賭けて研究発表するなんて、経験はないし想像もできないから、どれくらいプラスに働いたかはわからない。

 二週間、何事もなく過ごせたわけでは、……あった。

 拍子抜けするほど、平穏だった。辛労かったのは、予想通りにきた生理と、ピークを迎えた伝票数の多さくらい。どちらも今は落ち着いている。
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