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爛れる月面
第4章 月は自ら光らない
「人を淫乱みたいに言わないで。いっつも、呼び出してくんのはそっち」
「君こそ、人を性豪みたいに言ってくれるね」
「わかってんじゃん。あんたの歳であれだけヤレりゃ、性豪そのものでしょ。知らないけど」
「ずっと言っているが、それは君が悪いんだ」
「ねぇ、ドバイでも、食事中にこんな話をするのが普通なの?」
「世界中からいろんな連中が集まってるんだぞ? 政治と宗教と、性の話は、相当避けるべき話題だ」
「だから日本に帰ってきて、エロ話がしたくてしたくてしょうがなくて、私が呼ばれたんだね」
「ちがう。君を抱きたいからさ」
「……。もうちょっと、お寿司が美味しくなる話にしようよ」

 紅美子が溜息をつく。しかし、うなぎを皮切りに、寿司の手は結構進んでいた。

「なら、君が話せばいい」

 もう紅美子の倍は平らげていた井上は、話を聞こう、というように背凭れに身を預けた。醤油が付き過ぎたマグロを、折詰の縁で除けていた紅美子は、しばらく考えたのち、

「……男ってさ、なんで制服とか、コスプレが好きなの?」

 と訊いた。

「なんだその話は。しかもエロ話から大して外れてない」
「来るなり服がラフだ、とか勝手なこと言ってさ。それにさっき、『制服姿がやたらイヤラしい美人』つったでしょ? ちゃんと聞こえてたからね」
「美人は否定しないんだな」
「着てるものでムラムラするとか、しないとか、私にはわかんない。もっと中身を見ろよ、って思う」
「君は脱いでもすごいじゃないか」
「その中身じゃなくてっ!」
「しかし……、たしかにそうだな」

 ガリを手で摘まんだ井上は、食卓に腕をつき、

「好きな相手に、こういう恰好をして欲しい、ってお願いする女は、男に比べれば少ない。医者や、消防士や、あっちならミリタリーが好きだって女もいることはいるが、それはあくまでも本物の、であって、軍人でもない男に軍服を着せて喜んでる女っていうのは聞いたことがない」
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