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爛れる月面
第4章 月は自ら光らない

だが、出てきた紅美子はソファへ直行し、タバコに火をつけた。ひと口めの煙を長く吐き出したあと、無言で、隣のスペースを一本指で指して徹を呼んだ──
「……絶対、ボンテージってか、女王様のカッコだと思ってた。もしくはレースクイーンとかバドガールとか、ミニミニでパンツ見せまくりのエロいやつ。大穴で、網タイツが似合うバニーガール、またはミニスカポリス」
「何でそんなに知ってるの」
徹が笑いかけたので、思いっきり睨んで縮まらせてやり、「……だってクミちゃんが、何でもいい、って言うから……」
「だからって」
紅美子は、改めて自分の体を見下ろした。「……メイドさんなの?」
呆れ顔で言った紅美子だったが、徹の用意したライトパープルのメイド服をフル装備していた。パフスリーブから鎖骨丸出しの襟元、ギャザーの織られたふくらみまでは白地で、編み込みで絞られたウエストから大きく開く光沢のミニスカートとのバイカラーが、身に着けた者のスタイルを際立たせていた。小さなエプロン、フリル付きのカチューシャ、白のハイソックス、片脚にはレッグリボンまである。ここまで来ると、ロリータパンプスが無いのが残念なくらいだった。
「徹さー、私がどういうイメージで見られてるか、わかってないでしょ? メイドさんなんか一番遠いっつーの」
「遠くないよ。すごく可愛い」
「ウソつけ」
褒める徹の目は真剣だったが、
「知らなかった。徹ってこういうのが好きだったんだ。『ご主人さまぁ』って呼ばせたいんだね」
「いや、呼んで欲しいわけじゃ……」
「ケチャップでハート描いたりとか。残念だけど、私、オムライス作れないよ。卵でくるめない」
「オ、オムライスは、べつに、そんなに……」
「メイドさんのカッコが好きだなんて、徹、征服どころか、私のことを支配したいんだ。無意識にそう思ってるんだ」
「し、支配とか、そういう意味じゃなくて……」
「じゃ、どういう意味? 新年早々、なんなのこの羞恥プレイ」
「……絶対、ボンテージってか、女王様のカッコだと思ってた。もしくはレースクイーンとかバドガールとか、ミニミニでパンツ見せまくりのエロいやつ。大穴で、網タイツが似合うバニーガール、またはミニスカポリス」
「何でそんなに知ってるの」
徹が笑いかけたので、思いっきり睨んで縮まらせてやり、「……だってクミちゃんが、何でもいい、って言うから……」
「だからって」
紅美子は、改めて自分の体を見下ろした。「……メイドさんなの?」
呆れ顔で言った紅美子だったが、徹の用意したライトパープルのメイド服をフル装備していた。パフスリーブから鎖骨丸出しの襟元、ギャザーの織られたふくらみまでは白地で、編み込みで絞られたウエストから大きく開く光沢のミニスカートとのバイカラーが、身に着けた者のスタイルを際立たせていた。小さなエプロン、フリル付きのカチューシャ、白のハイソックス、片脚にはレッグリボンまである。ここまで来ると、ロリータパンプスが無いのが残念なくらいだった。
「徹さー、私がどういうイメージで見られてるか、わかってないでしょ? メイドさんなんか一番遠いっつーの」
「遠くないよ。すごく可愛い」
「ウソつけ」
褒める徹の目は真剣だったが、
「知らなかった。徹ってこういうのが好きだったんだ。『ご主人さまぁ』って呼ばせたいんだね」
「いや、呼んで欲しいわけじゃ……」
「ケチャップでハート描いたりとか。残念だけど、私、オムライス作れないよ。卵でくるめない」
「オ、オムライスは、べつに、そんなに……」
「メイドさんのカッコが好きだなんて、徹、征服どころか、私のことを支配したいんだ。無意識にそう思ってるんだ」
「し、支配とか、そういう意味じゃなくて……」
「じゃ、どういう意味? 新年早々、なんなのこの羞恥プレイ」

