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爛れる月面
第4章 月は自ら光らない
 もぐりこんだ徹の息が、内ももに降りかかった。しかし立ち上がった紅美子の脚の長さが災いし、そのままでは届かなかった。頭の中が沸騰しそうだったが、誘惑には勝てず、紅美子は背凭れをしっかりとつかんで膝を折っていった。秘唇に触れる感覚があったかと思ったら、直後に布地ごと熱烈な口づけをされ、たちまち女洞が入口へ至るまでぬかるむ。

「やっ……、と、徹……」

 両手も入ってきて、すっかり蜜を含んでしまった薄布が脇へと除けられた。熟れて果汁が滴っているかのようになった柔肉を、直接啜られる。視覚は遮られ、はしたなさぶりを聴覚だけに伝えられると、下腹の触覚はより鋭敏に研がれ、とめどなく果蜜が漏れた。真下から、彼の指が挿ってくる。濡らしようを知られてしまう以上に、受け入れるや否や強く吸着しているのを知られることのほうが恥ずかしかった。

「んっ……、だめ、徹……」
「何が、……だめ?」
「そんなにしたら、その……、で、出ちゃう、から、待って」
「いいよ。いっぱい、気持ちよくなって」
「だって徹は、きっ、着替え、持ってない、じゃんっ……」
「いいよ」
「よ、よくないっ、てぇ……」

 ハスキーな地声が甘ったるく舌足らずになっているのが自分でも聞き取れ、羞恥と信頼が織り混ざって感度が上がり、下肢全体が得も言われぬ愉楽に包まれた。

「……ここ、きもちいい?」
「そ、そこ……だけど、ね、徹、ほんとにヤバいの。いっちゃう」
「うん。……いってほしい」
「んぁっ……!!」

 徹の顔に押し付けると、法悦が始まると同時に、ゆばりのように潮が噴き出した。しかし、ハイソックスの内側を濡らしているのは、ごく少量であることに気づき、

「ちょっ……、な、何、……飲んで……、あうっ……」
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