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爛れる月面
第5章 つきやあらぬ
 それからも、紗友美の尋問は続き、徹は一つ一つに誠意をもって答えていた。中には真面目に答える必要もない質問もあったのだが、ようやく紗友美が満足した時には、二時間近くが経っていた。

「だいぶん情報集まりました。ええと、そろそろ、私オジャマです?」

 遅すぎるセリフが紗友美の口から出る。

「いや、そんなことないですよ」

 そう言う徹を押しのけ、

「邪魔。早く二人きりになりたい」
「二人きりになって何するんですか?」

 紅美子は冷め切った紅茶の最後の一口を飲み干し、ソーサーを鳴らした。

「そんなの決まってんじゃん」
「おっ、長谷さんにしては、珍しくオープンですね」
「そうなの。早くニャンて言いたいの」
「そういうことなら、追いてっていいです?」
「ぜっ……、たいにダメ」

 紗友美がニッコリとして、

「今日はありがとうございました。とっても楽しかったです」
「そりゃ、光本さんはね」
「長谷さんのほうは、これからがオタノシミじゃないですか」
「……徹、いくよ」

 紅美子はレシートを持って立ち上がった。

「お膳立てはしてあげましたから、あとはご存分にどうぞです。ただしもう、式の日にちは抑えちゃったんで、ひぃ、ふぅ、みぃ……くれぐれもケアレスミスだけはご容赦を」
「わかってますっ」

 最後は徹と腕を組む後ろ姿まで見せて、店を後にしたのだった──

「……なんつーとこ光本さんに見せちゃったんだろ、私。もおっ」

 次に紗友美に会った時のことを想像し、紅美子は座布団の上で髪に両手を入れて首を振った。
 隣に座った徹は、

「ね、クミちゃん」
「んー……?」
「してもいい?」

 表情じたいはファミリーレストランと同じ真顔だったが、目尻と頬が紅潮している。

「……。……いつからだろー、ウチの彼氏がこんなに絶倫になっちゃったの」
「だって、やっと会えたんだから」
「それ、一年は開けなきゃ言っちゃならんセリフかも。七夕クラス」
「期間なんか関係ないじゃん」
「なんでそんなにムラムラしてんの?」
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