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私んちは淫乱家族
第7章 先生の特別講義

「この前ね、桃ちゃんが先生に指名されてアパートに行ったら、どこで噂を聞きつけたのか、別のクラスの女の子がね、部屋の前で待ち伏せしてたんだってさ」

「ほう、その生徒は、ブスかデブだったってことだな。それは先生も困ったことじゃろう」

「先生はその女の子も部屋に入れたけど、桃ちゃんとの講義の実戦を眺めているだけでね、服も脱がされず、キッスもされず、手も握ってくれなかったって泣いてたそうだよ。このことを誰かに話したら、通知表の成績を下げるからって先生に脅されて泣き寝入りだよ。自業自得だよね」

「なんと薄情な。それこそ先生の教育方針に背くではないか。うぶな生徒をより好みして、ブスだけを地獄の底に突き落とすとは、教育者としてあるまじき行為ではないかのう」

「おじいちゃん、違うよ……」

私は先生の正義を守るために、おじいちゃんに先生の真意を伝えました。

「ブスには忍耐力を養わせ、忸怩(じくじ)たる悲劇を体験させる。精神を鍛えて将来に備えさせるという親心、明日に向かって、未来を強く見つめるための試練だってさ」

「う、うむ……」

「革新的教育理念に燃える夜桜先生だからこその英断と思いやりなんだよ。おじいちゃん、分かった?」

「そ、そうか。言われてみればもっともな……、教育とは……深いのう」

「その女の子がいたからさあ、講義は本番の実習までいかずに生殺しだっただけじゃなくって、本当に算数の補習までさせられたって、桃ちゃんが怒ってたよ」

「おう、そうかい……」


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