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渇いた心に水を注ぐ
第11章 働き方改革〜圭人
俺は少しポカンとした顔をしていたのかもしれない。

真由子ちゃんが、そっと手を握ってくれて我に返った。


「俺、あの家に居るより、
ここやグランマの家に居る方が好きだったし、
母さんの飯とか、食ったこともなくて、
いつも叔母さんの手作りのご飯とか、
グランマの料理、楽しみだったな」とボソっと言った。


「あの…。
私もお祖母様の処や、こちらでは、
とても寛げます。
それは、皆さまの心が温かいのと、
圭人さんがなによりもリラックスしてるからだと思います。
圭人さんのご両親様とはお会いしたことはありませんが…、
おじさまとおばさまが、お義父さまとお義母さまになってくださるなら、
私、しょっちゅうお邪魔しに来てしまうと思います」と、
真由子ちゃんが珍しく雄弁に語ってた。


「真由子ちゃん…人見知りなのに、
なんか、珍しいね?」と言うと、
恥ずかしそうな顔をして、
「それに…、お2人は、
私の両親にもとても雰囲気が似ていらっしゃるので、
なんだか実家に来たみたいに感じます」と言って恥ずかしそうに笑うと、
叔父さんも叔母さんも、すごく嬉しそうに笑った。


「確かに、ギラギラしてるうちの親達より、
叔父さん達の方が話も合いそうだよね?」と、
俺も笑ってしまった。


「でも…でしたらお話しておかなくてはいけないことがあります。
私の最初の結婚の話です…」と真由子ちゃんが白い顔をして話し始める。

「あの…死別したんですけど…」と震えながら話そうとする。


「真由子さん、無理して話さなくて良いよ」

「そうよ。
別に過去のことでしょ?
今も結婚してて不倫なんですっていうのは困るけど」
と、叔父さんと叔母さんが言う。


「過去のことなんて、
どうでも良いじゃない?
今とこれからのことが大切なのよ?
それと2人の気持ち」と、グランマが言う。


「とにかく、善は急げで、
養子縁組の話、私の方で進めても良いかな?」と叔父さんが言うので、
「宜しくお願いします」と言った。

グランマは、
「どっちにしても、孫ってことには変わりないしね?」と笑う。







本当に来週は目まぐるしく色々なことが変化していく感じの1週間になりそうだった。

だからこそ、
今夜は…。

真由子ちゃんと愛し合う。
そう思いながら、
グランマを送ってから、
真由子ちゃんのマンションに戻った。

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