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第15章 元実家のお家騒動〜圭人

本当に久し振りに訪れた家は、
まるで他人の家のように冷たかった。


母親ではなくて、
見たことのない若いお手伝いさんが応接室に俺と真由子ちゃんを通した。


コーヒーを出してくれてると、
兄貴が入ってきた。

兄貴に会釈をすると部屋から出て行った。


兄貴は少し痩せてやつれた顔で、
無精髭まで生えていた。


「久し振りだな？」と言って、
コーヒーを啜ると、
「あっ、どうぞ」と俺達にもコーヒーを勧めた。


「ありがとうございます」と真由子ちゃんが言ってソーサーごとカップを手にする。
でも、猫舌ですぐには飲まないのを見ながら、
俺は一気に半分ほどコーヒーを飲んでカップを置いた瞬間、
俺は自分の身体がグラリと揺れた気がした。


「えっ？
圭人さん…？」と言う声が聴こえるけど、
頭をそちらに向けることも出来ない。


「一気にそんなに飲むとは思わなかったからな。
圭人、大丈夫か？」という兄貴の声も遠くで聴こえた。


「真由…子…ちゃ…」


俺は座ってることも出来ないまま、
ソファに沈み込んでしまった。