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渇いた心に水を注ぐ
第16章 狂気から静寂へ〜賢人
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「久し振りだね?
真由子さん」
と笑い掛けると、
真由子さんは蛇に睨まれた蛙のように固まってしまって、
圭人の手を握り締めている。
「初めて見掛けたのは…
阿部の結婚式だったかな?
あの時はまだ学生だったんだっけ?
ピアノ、弾いてたよね?」
「えっ?」
「凄く可愛くて、
みんな、狙ってたけど、
素っ気なかったよね?
二次会の途中で帰ってたしさ。
でも、その時、あいつが…英一が送って行ったんだって?」
「…」
「翌日に二次会で引っ掛けた女の子とまだラブホに居たらさ、
英一から電話来たもんな。
俺が女の子としけこんでるのを見越して、
その子に電話、代わってくれって言って、
君の電話番号知らないかって言ってたよ」
真由子さんは青褪めた顔で俺を見る。
「その後、付き合うようになったって聞いて、
羨ましかったよ。
誰にでも股を開くような軽い女の子じゃなくて、
キスしても震えるようなコだって聞いたからね?
英一も散々女の子と遊んでたくせに、
本当に君に夢中だったよ。
僕達は茶化して、
『初めてなフリしてるだけなんじゃないのか?』って言ってたけどね。
だから君達の結婚式の時には、
玩具とか媚薬入りのゼリーとか、
手錠とか、あれこれ持たせたな。
初夜から、それ、使ったのかな?」と言うと、
震えている。
僕が半腰に立ち上がって身体を前に乗り出すと、
逃げるように身体を動かして圭人の方に身体を向けるけど、
圭人は起きる様子はなかった。
手首を掴んで引き寄せようとすると、
涙を浮かべながら、
「辞めてください」と声を震わせながら言う。
「そんな目をされたら、
堪らないよね?
英一もそうだったんじゃないかな?
縛って無理矢理とか、
最高だろうね?
本気で怯えて嫌がるのを思い通りにする。
そういうこと、してたんだろ?
あいつ、SMにのめり込み過ぎて、
首絞めてヤルようになったんだろう。
圭人ともそういうプレイ、してるのかな?
試してみれば判るな?」
僕はそう言って、
真由子さんの手を引いて、
引き摺るように圭人から引き離した。
脚まで震えていて、立っていられないようだった。
真由子さんは座り込んでしまって、
怯えた顔で僕を見上げた。
真由子さん」
と笑い掛けると、
真由子さんは蛇に睨まれた蛙のように固まってしまって、
圭人の手を握り締めている。
「初めて見掛けたのは…
阿部の結婚式だったかな?
あの時はまだ学生だったんだっけ?
ピアノ、弾いてたよね?」
「えっ?」
「凄く可愛くて、
みんな、狙ってたけど、
素っ気なかったよね?
二次会の途中で帰ってたしさ。
でも、その時、あいつが…英一が送って行ったんだって?」
「…」
「翌日に二次会で引っ掛けた女の子とまだラブホに居たらさ、
英一から電話来たもんな。
俺が女の子としけこんでるのを見越して、
その子に電話、代わってくれって言って、
君の電話番号知らないかって言ってたよ」
真由子さんは青褪めた顔で俺を見る。
「その後、付き合うようになったって聞いて、
羨ましかったよ。
誰にでも股を開くような軽い女の子じゃなくて、
キスしても震えるようなコだって聞いたからね?
英一も散々女の子と遊んでたくせに、
本当に君に夢中だったよ。
僕達は茶化して、
『初めてなフリしてるだけなんじゃないのか?』って言ってたけどね。
だから君達の結婚式の時には、
玩具とか媚薬入りのゼリーとか、
手錠とか、あれこれ持たせたな。
初夜から、それ、使ったのかな?」と言うと、
震えている。
僕が半腰に立ち上がって身体を前に乗り出すと、
逃げるように身体を動かして圭人の方に身体を向けるけど、
圭人は起きる様子はなかった。
手首を掴んで引き寄せようとすると、
涙を浮かべながら、
「辞めてください」と声を震わせながら言う。
「そんな目をされたら、
堪らないよね?
英一もそうだったんじゃないかな?
縛って無理矢理とか、
最高だろうね?
本気で怯えて嫌がるのを思い通りにする。
そういうこと、してたんだろ?
あいつ、SMにのめり込み過ぎて、
首絞めてヤルようになったんだろう。
圭人ともそういうプレイ、してるのかな?
試してみれば判るな?」
僕はそう言って、
真由子さんの手を引いて、
引き摺るように圭人から引き離した。
脚まで震えていて、立っていられないようだった。
真由子さんは座り込んでしまって、
怯えた顔で僕を見上げた。
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