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渇いた心に水を注ぐ
第1章 プロローグ
「あ…れ…?
なんか、水?」


バイクを停めて、店のドアを開けようとした時、
店の入り口横に置いてある鉢植えに水が掛けられていて、
キラキラとした光を乱反射させているのに圭人は気づいた。


「んー。
誰か、水を掛けてくれたのかな?
そういえば、水、あげるのなんてすっかり忘れてた」


圭人は思わず、
名前もよく判らない小花や葉っぱに向かって、
「ごめん」と呟いた。


早朝にバイクでテレビ局入りして、
依頼されている出演者のヘアメイクをする。
一応、ラストまでスタジオに待機して、
コマーシャル中に手直しすることもある。

映画や雑誌のヘアメイクをすることもあったが、
そっちの仕事は少しセーブしていた。


局の終わって帰宅してから仮眠を取って、
予約の顧客だけ対応してから、
夜、母親の会社に行って経理の仕事をしてから帰宅して寝る。
翌日、早朝起きて、局に行く。
平日はそんな毎日だった。

土日は1人でバイクか車で近場の温泉に行くこともあるけど、
うっかりぐーたらして一日が終わることもあった。


大きい植木鉢だかプランターだかは、
朝の情報番組のコーナーで、
園芸コーナーみたいなのがあって寄せ植えを出演者が作ったけど、
持ち帰る人が居なくて、
なんか可哀想で持ち帰った。

それなのに、水をあげないとか…。

俺、酷いヤツだ。




夕方、グランマの頃からの顧客のご近所のマダムのカットブローをしていた時に、
ドアの向こうに立ち止まって下を見ている女の子が見えた。


「あっ!
水を上げてくれたコかな?」と直感して、

「ちょっと失礼します」とマダムに声を掛けてからドアを開けてみたけど、
小走りで立ち去ってしまって小さくなった後ろ姿しか見えなかった。


地味な紺色か黒のワンピースに日傘。
大きい黒い鞄。
黒いローヒール。
後ろに纏めた長い髪。


新卒とか、就活のコかな?


そう思いながらマダムの処に戻った。






それが、
真由子と圭人の出会いだった。



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