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渇いた心に水を注ぐ
第4章 サードコンタクト〜真由子
金曜日は学校の勤務もない日で、
一日中、家で翻訳の仕事をしていた。

そして、夕方、少し緊張しながら携帯を前にじっと座っていた。


7時過ぎに圭人さんから着信があった。
深呼吸をしてから電話に出た。

前夜の夕食のお礼を言うと、
「かえって強引に誘ってごめん。
でも、お陰で真っ当な飯を久々に食べれたよ」とのんびりした声で言った。

話し方やペースが私と似ているからなのか、
お話をしていても他の方より緊張しないし、
なんとなく楽しく感じていた。


少し他愛のないお喋りをしてから、
翌日の予約時間の話になった。


「真由子ちゃん、明日は何か、予定あるの?」

「いいえ。特には…」

「日曜は?」

「朝、教会に行きますけど…それ以外は特に…」

「なるほど。
じゃあ、明日、ちょっとドライブに付き合ってくれないかな?」

「えっ?」

「もっと話がしたくて…。
真由子ちゃんが嫌でなければだけど。
あ、ちゃんとシャンプーもするから」

「良いですよ」

「ホント?
嬉しいな。
真由子ちゃん、えっと、パンツとか、持ってる?」

「パンツって?
下着ですか?」

「いやいや、違うよ。
ジーンズとかチノパンとか…」

私は恥ずかしくて赤面しながら、
「持ってないです。
あ、体育祭の時だけ着るジャージだったら持ってますよ」と言った。


「そっか。
じゃあ、部屋着みたいな普段着で明日は来て?
そうだな?
朝の9時とかでも大丈夫?
車で移動だから、お洒落しなくて良いし、
仕事の服だと堅苦しくて疲れちゃうでしょ?
俺もいつも、Tシャツとジーンズだし。
なんなら、ジャージでも良いけど、
多分、着慣れてないだろうから、
かえって気になるでしょ?
とにかく、リラックス出来る格好でね?」と言われた。



それで、翌日は本当に部屋着に着ているゆとりのある楽ちんな綿麻素材の紺色ワンピースにスパッツを履いて、
脚元もソックスにスニーカーにして圭人さんのお店に行った。

バッグは斜め掛けのエブリンにした。
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