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渇いた心に水を注ぐ
第2章 ファーストコンタクト〜真由子
家から水を1リットル運ぶ体力はとてもなくて、
毎回、そのお店らしき処の近くにある自動販売機で2本、
ペットボトルのミネラルウォーターを買って、
話し掛けながら大きな寄せ植えの鉢に水をあげるのが私の日課になりつつあった。


朝は扉の向こうはシーンとしていて、
全く気配を感じないので安心してお花に話し掛けることが出来た。

早起きして、終わった花の花殻摘みすらすることもあった。

お花の手入れはとても落ち着く。
何よりも私を傷付ける要素は何もない。


帰り道はそこを通らないようにした。
何しろ初めてその寄せ植えに気づいた日の帰り道にうっかりそこを通ったら、
扉が開いて本当に息が止まるかと思って、
最大限のスピードでその場から立ち去ることになったから。


でも、昨日はびっくりした。
土曜日で学校は休みだったけど、
お水をあげようと思った同じ時間に行ったら、
入り口に大きなバイクが停まっていて、
ドアの中に灯りが見えた。

どうしようかな?と何食わぬ顔で通り過ぎて、遠くで振り返ると、
扉から背が高そうな男性が出て来て、
バイクの洗車を始めながらお花に水をあげてるみたいだった。


うわっ。
お花の上からじゃばじゃば掛けてるみたい。
土だけに掛けないと、
花弁が痛んじゃうのに。

でも、そんなこと、言えないからそのまま遠回りして家に帰った。



日曜日の今日は、更に早い時間に起きて、
お水をあげようと思った。

流石に扉の中は暗いし、
人の気配はない。


花弁を見ると、
直接お水を掛けられたことで、
薄い花弁が少し痛んでしまっていた。

私は溜息をついて、
ダメになってしまった花弁をそっと取り除いてあげてから、
静かに土にお水を掛けた。

ふと見ると手に土がついてしまっていたので、
バッグからフェイラーのタオルハンカチを出して拭いてから立ち上がろうとした時、
いきなり扉が開いて、
中からひょっこり男性が顔を出したので、
よろめいて倒れそうになってしまった。

おまけにハンカチを落としたことにも気づかなかった。
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