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渇いた心に水を注ぐ
第7章 誤解から妄想〜圭人
俺は額にキスをしてから抱き締めて言った。


「じゃあ、明日、俺が仕事から帰ったら、
2人で読もうか?」


「えっ?」


「2人で前に進みたいから」


真由子ちゃんは俺の胸に顔を埋めて泣いている。


「そしたら、
俺とセックスしよう?
あ、気持ちが整理出来たらで良いよ」


「今夜は?」


「今夜はキスだけさせて?
おっぱいも明日だな。
ヤキモチ妬いたペナルティだな。
もし、俺、
昨日の夜、ここに来てたら、
多分、嫉妬心と独占欲で、
真由子ちゃんのこと、無理矢理襲ってたと思う。
泥酔して寝てて良かったよ。
俺、真由子ちゃんから嫌われたら、
ショック死するもん」


「圭人さん、優しいのね?
じゃあ、キスして?
いっぱいキスして?」と言って、
顔を俺に向けて瞳を閉じる。


俺はそっと顔を包み込むようにして、
優しくキスをする。



何度も何度もキスをして、
髪や背中を撫でる。


「圭人さん、好き…」と言われると、
「俺も…。
大好きだよ。
離したくない」と言いながらもっとキスをしたくなる。


そうしてるうちに、
いつの間にか丸まって絡まりあうように眠りについていた。





朝、いつもの時間に携帯のアラームより早く目が覚める。
いつもと違う広くて柔らかいベッドの感触で、
一瞬どこにいるのか判らなくなる。

隣に居るはずの真由子ちゃんが居なくて、
慌てて起き上がってリビングに行くと、
ニコニコしながらコーヒーとトーストにハムエッグとサラダが用意されていた。

「今、起こそうと思ってたの。
おはようございます」と言って、
「Tシャツだけでも着ましょうね?」と笑う。


「真由子ちゃん、寝れた?
大丈夫?」


「はい。大丈夫ですよ?」と笑ってる。


「いってらっしゃい」と、
キスして送り出して貰って、
ニヤけてしまう。


「昼前には帰るよ」と言って、
もう一度キスをして出掛けた。





そして、仕事から帰ってから軽く昼メシを食べた後、
2人で真由子ちゃんの亡くなった夫が残した手帳を読むことになった。


その内容は、
辛くて、哀しくて、
そして真由子ちゃんへの愛情も散りばめられた切ないものだった。



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