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第10章 嘘の代償〜梨香子

あ、圭人は良い人だと思うよ。
でも、本当にごめんなさい。
好きって思ったこと、なかった。
セックスもあの一回だからね、
相性良いとかも判んないくらいで、
正直、あたしが一方的に襲ったようなものだったしね。

女の子に対して真面目でさ、
子供が出来たと言っただけで、
責任取ろうとして結婚してくれてさ。
そんな圭人を騙して、
本当に悪かったって思ってる。


賢人さんと絵美も、
あんまり上手くいってないみたいだよ。
まあ、あの2人も代償払わないとね？


さっき、泣いたのは、
なんか、真由子ちゃんが可愛くて、
ヤキモチ焼いただけだと思う。
別に圭人とどうこうってこともないから。



あたしは、ここまで話をしたらスッキリしてきた。



もう、圭人に会うことはないし、
真由子ちゃん、別にあたしのことなんて、
気にしなくて良いからね？
と言って、真由子ちゃんの手を握った。


真由子ちゃんは、子供みたいな顔して泣いていた。


あたしは、
「ありがとうね？」と言って、
真由子ちゃんの肩を抱いた。